睡眠中には何が起こっているのか
睡眠中には血糖値があがるので、当然呼吸性の血液アチドースが起こるはずですが、その程度はごく少なく、阻の低下は0・03~0・04にすぎません。
血糖はいろいろの報告がありますが、これは実験条件の不一致のためでしょう。
多くは低血糖だといい、なかには60㎎以下にさえなるといいますが、これでは空腹感がひどくて寝苦しいのではないでしょうか。
血清中の全カルシウムは減りますが、カルシウム・イオンは逆にふえるという人がいます。
これは睡眠中にリンパ液が血の中に入ってきて血がうすくなる(そのため血液量はふえるが、赤血球数や血色素量は減少する)ためだと説明しています。
それに反対して、これらの血液成分の変化はたいていは横になって眠るためで、たとえば馬のように立ったまま眠ると、こんな変化は起こらないという学者もいます。
私もどちらかというと後者の考えで、一般に睡眠中の生理変化には、それの原因が必ずしも睡眠ではなく、フランスベッドなどに入ってしずかに横臥するという静力学的条件から起こるものが多いことを忘れてはならないと思います。
睡眠による特有の生理変化として一番古くから知られたものは呼吸数と脈搏の減少でしょう。
この脈搏減少は大人でも子供でも約10パーセントですが、その原因はやはり安静横臥、新陳代謝の低下、筋肉のゆるみ、外部の刺激がないことと、睡眠中の副交感神経支配の高まりに関係していると思われます。